時間外対応の体制は整えたい。でも、夜間の電話対応や判断の負担を考えると、現場だけで回しきるのは難しい。そう感じているクリニックも多いのではないでしょうか。
2026年6月の診療報酬改定では、「時間外対応加算」から「時間外対応体制加算」へと名称が見直され、体制の充実をより重視する方向へと変化しています。さらに、24時間対応の評価強化に伴い全区分で点数が引き上げられるなど、対応の重要性はますます高まっています。こうした中で注目されているのがAI電話の活用です。
本記事では、時間外対応体制加算とAI電話の関係を整理しながら、現場の負担を抑えつつ体制を整える具体的な方法を解説します。
目次
1.AI電話は時間外対応加算に対応できるのか?

AI電話を導入すれば、時間外対応加算は算定できるのか
「AI電話を導入すれば、時間外対応加算に対応できるのか?」という疑問を持つクリニックは増えています。
結論からいうと、AI電話を導入するだけで時間外対応加算を算定できるわけではありません。
時間外対応加算(時間外対応体制加算)は、診療時間外でも患者からの問い合わせに対応できる「体制」が整っていることを評価する制度です。実際、2024年度の診療報酬改定以降は、こうした「体制としての対応力」を評価する方向性がより強まっているとされています。※
そのため、AI電話はあくまでその体制を支える手段であり、単独で算定要件を満たすものではない点に注意が必要です。
※ 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要」
時間外対応加算の算定に必要な施設基準とAI電話の関係
時間外対応加算を算定するためには、施設基準を満たす必要があります。
具体的には、時間外においても患者からの問い合わせに対し、適切に対応できる体制が求められます。その内容は大きく分けて、以下の3つに整理することができます。
■電話などによる問い合わせ対応が可能である…電話などを通して、診療時間外でも患者からの問い合わせを受け付けられる状態であること
■応答できない場合の折り返し対応体制がある…その場で応答できない場合でも、折り返しなどで確実に対応できる仕組みが整っていること
■必要に応じて受診案内や指示ができる…症状や状況に応じて、受診案内や指示など適切な対応が行える体制であること
などが求められます*。
また、時間外対応に関しては、夜間・休日の相談ニーズの増加に伴い、電話対応を中心とした体制整備の重要性が高まっていると指摘されています。
AI電話を導入していても、これらの施設基準を満たしていなければ時間外対応加算は算定できません。
AI電話は制度そのものを満たすものではなく、あくまで体制を支える手段として活用することが前提となります。また、AI電話を導入することで対応フローの整理や業務の可視化が進み、結果として体制構築をスムーズにすることができます。
*時間外対応体制加算の算定には、区分ごとに定められた施設基準(1〜4)を満たす必要があり、具体的な要件は対応体制の内容や運用方法など細かく規定されています。※
なお、各区分の詳細な要件や運用条件については細かく規定されているため、実際の算定可否を判断する際には、実際の施設基準をご確認ください。
※ 厚生労働省「初・再診料施設基準等」
2.施設基準を満たしてる場合・満たしていない場合のAI電話活用方法とは

施設基準を満たしている場合の活用方法
すでに時間外対応加算の施設基準を満たしているクリニックでは、AI電話の導入によって運用負担の軽減が期待できます。時間外対応では、すべての問い合わせに人手で対応する必要があり、継続的な負担になりがちです。
AI電話を活用すれば、一次対応を自動化し、必要なケースのみスタッフが対応する運用に切り替えることが可能になります。
これにより、時間外対応体制を維持しながら、人的負担を抑えることができるのが大きなメリットです。
施設基準を満たしていない場合の活用方法
施設基準を満たしていない場合でも、AI電話の導入は有効です。
時間外対応体制を整備するうえでは、
■どのような問い合わせが発生しているのか
■どこまで対応すべきか
■誰が対応するのか
といった運用設計が重要になります。
AI電話を導入することで、問い合わせ内容の整理や対応フローの可視化が進み、無理のない形で時間外対応体制を構築するための土台づくりが可能になります。
これらを整理すると、以下のようになります。
| 状況 | AI電話の主な役割 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 施設基準を満たしている場合 | 一次対応の自動化 | 時間外対応の負担軽減 |
| 施設基準を満たしていない場合 | 問い合わせ面の整理 | 体制構築の土台作り |
体制構築におけるAI電話の位置づけ
AI電話は、時間外対応体制を構築・運用するための「支援ツール」として位置づけることが重要です。
時間外対応では、すべての問い合わせを人手で対応しようとすると負担が大きくなり、体制として継続が難しくなります。
そのため、問い合わせ内容を整理し、対応の優先度に応じて医師・スタッフが対応するか、AIで対応するかを分類する仕組みが求められます。
AI電話は、こうした初期対応や問い合わせの分類を担うことで、無理のない形で運用できる体制づくりを支援します。最終的な判断は医師やスタッフが行いつつ、人が対応すべき業務に集中できる環境を整えることができるのです。
3.AI電話で実現する負担の軽減と業務効率化

なぜ電話対応が時間外対応の大きな負担になるのか
時間外対応における最大の課題は、すべての問い合わせに対してスタッフが対応しなければならない点です。
実際には、
■緊急性の低い問い合わせ
■翌日対応でも問題ない相談
■よくある定型的な質問
も多く含まれており、それらすべてに対応することで、医師やスタッフの負担が増加してしまいます。さらに、時間外対応では限られた人員で対応するケースが多く、対応のたびに「今すぐ対応すべきか」「緊急度の低い対応か」といった判断が求められます。
このような判断の積み重ね自体が負担となりやすく、業務の効率を下げる要因にもなります。
その結果、本来優先すべき対応に十分な時間を割けなくなり、体制にも影響が出てしまうのです。
AI電話による最適化とは?不要な問い合わせと必要な対応
こうした課題を解決するのが、AI電話による問い合わせ対応の最適化です。
AI電話による最適化とは、問い合わせ内容をもとに対応の優先順位を判断し、適切に分類する仕組みを指します。時間外対応では、すべての問い合わせに同じように対応するのではなく、「どの対応が本当に必要か」を見極めることが重要になります。
具体的には、以下のように分けることができます。
| 問い合わせの種類 | 対応方法 | 具体例 |
|---|---|---|
| 緊急性の低い問い合わせ | AIが一次対応 | 診療時間の確認・予約変更・よくある質問 |
| 判断が必要な問い合わせ | スタッフへ引き継ぎ | 症状の相談・医師判断が必要な内容 |
AIとスタッフの役割分担で、電話削減と業務効率化の実現
AIとスタッフの役割を分けることで、電話対応の最適化が実現します。
すべてをスタッフで対応するのではなく、AIを活用して対応を分類することで、電話対応の削減と業務効率化を同時に実現することが可能になります。
具体的には、対応の内容に応じて役割を分けることができます。
| 対応の内容 | 担当 | 具体例 |
|---|---|---|
| 定型的な問い合わせ対応 | AI | 診療時間の案内・予約確認・質問への回答 |
| 判断・対応が必要な問い合わせ | スタッフ | 症状の相談・個別対応が必要なケース |
クリニック特化型のAI電話「NOMOCa-AI call」
これらを実現する手段として、クリニック特化型のAI電話サービスの導入も進んでいます。
弊社が提供しております「NOMOCa-AI call」は、医療機関特有の問い合わせ内容に対応した設計となっており、患者からの問い合わせ内容を自動で整理し、対応の優先度に応じて適切に分類することができます。
例えば、予約やよくある問い合わせなどはAIが一次対応を行い、症状相談や判断が必要なケースのみスタッフへつなぐことで、無駄のない対応体制を構築することが可能です。
このように、時間外対応体制の運用負担を軽減しながら、診療時間内の電話対応削減や業務効率化、さらには患者の受け入れ体制の強化にもつながる点が特長です。
4.まとめ
AI電話は、時間外対応加算そのものを満たすものではありませんが、時間外対応体制の運用・構築を支える有効な手段です。
特にAI電話の最適化による問い合わせの整理は、時間外対応だけでなく日常業務の効率化にもつながり、スタッフの負担軽減と対応品質の向上を同時に実現します。時間外対応加算への対応を検討しているクリニックにとって、AI電話は負担軽減と体制整備を両立する選択肢の一つといえるでしょう。
こうした運用を実現する手段として、クリニック特化型のAI電話サービス「NOMOCa-AI call」のように、問い合わせ対応の自動化と適切な分類を行い、無理のない体制構築を支援するサービスも登場しています。
クリニックの状況に合わせてこうした仕組みをうまく取り入れることが、今後の時間外対応体制の整備において重要なポイントとなるでしょう。
まずは資料で、NOMOCa-AI callの活用イメージをご確認ください。










