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レセプト業務とは?業務の流れと重要性、効率化するポイントを詳しく解説
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クリニック経営において、レセプト業務は複雑で高い正確性が求められる、収益に直結する大切な仕事です。レセプト業務には医師やスタッフの手間や時間がかかるため、できるだけ効率化したいものです。
この記事では、レセプト業務の基本から流れ、効率化のポイントを詳しく解説します。レセプト業務効率化のポイントを理解して、クリニックの経営を安定化させるため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
レセプト業務とは
レセプト業務とは、医療機関が診療報酬を請求するために行う業務のことをいいます。
医療機関では、患者さんに診察や検査、治療などの診療行為が行われます。その診療行為の対価を、健康保険組合や協会けんぽなどの保険者に請求をします。
この請求の際に必要となるのが「レセプト(診療報酬明細書)」です。
h3:診療報酬が支払われる仕組み
クリニックなどの医療機関に診療報酬が支払われる仕組みは、以下のようになっています。
- ・医療機関が患者さんの診療内容に基づいた診療報酬を算定
- ・診療報酬情報から作成したレセプトを、審査支払機関へ提出
- ・審査支払機関がレセプトを審査
- ・不備がなければ保険者から診療報酬が支払われる
保険で定められている診療報酬額から、患者さんの窓口負担を除いた残金が保険者から支払われる金額です。医療サービスの対価として支払われる金額のうち、7割〜9割の大きな部分を占めます。保険者からの診療報酬の支払いは、診療月の約2ヶ月後に行われるのが一般的とされています。
レセプトに不備や誤りがあると、返戻や減額が発生しクリニックの収益に影響があるため、レセプト業務には高い正確性が求められます。
レセプト業務の流れ
レセプト業務は、毎月月末から翌月10日までに集中して行われるのが一般的です。これは、審査支払機関へのレセプト提出期限が10日に設定されているためです。
具体的な流れは以下のとおりです。
- 1.診療情報の入力
- 2.レセプトの作成
- 3.点検と確認作業
- 4.医師への確認依頼
- 5.提出と請求
それぞれについて詳しく解説します。
診療情報の入力
診療情報の入力とは、患者さんのカルテをもとに、診療内容、投薬、処置、検査などの情報をレセコン(レセプトコンピューター)に入力します。レセコンとは、レセプトを作成するために使用するコンピューターシステムを指します。診療情報の入力は基本的に会計の際に行うもので、医療事務が担当したり医師が行ったりします。
レセプトの作成
レセコンに入力された診療情報をもとにレセプトを作成します。診療報酬の自動計算に対応しているレセコンを使用している場合は、レセプトの作成自体に手間や時間がかかることは少ないでしょう。
点検と確認作業
レセプトの業務のなかで特に重要なのが、レセプトの点検と確認作業です。会計時のデータ入力の間違いを訂正したり、レセコンが自動計算した診療報酬が正しいか確認したりといった作業を行うため、時間と手間がかかります。
点検確認作業では、以下のポイントを確認することが大切です。
- ・診療行為に対して適切な病名が記載されているか
- ・重複して請求されていないか
- ・保険適用外の診療内容が含まれていないか
- ・加算や減算の適用が正しく計算されているか
- ・投薬内容と適応疾患の整合性がとれているか
これらのほかにも、間違いがないか細かく確認しなければなりません。返礼や減額を防ぎ、適切な診療報酬をえるための大切な業務です。
医師への確認を依頼
レセプト内容に疑義がある場合や、カルテ内容との矛盾がある場合は、医師に確認を依頼しましょう。処置や検査に必要な病名が記載されていなかったり、診療内容と請求内容の整合性も取れていなかったりする場合は訂正が必要です。
審査支払機関への提出期限に間に合うように、早めに対応する必要があります。
提出と請求
医師の確認が完了したレセプトは、審査支払機関に提出します。審査を通過すれば、医療機関に診療報酬が支払われます。もし、不備があった場合は再提出が必要です。
レセプト業務の重要性
レセプト業務には、正確な作業が求められます。
もしレセプトの内容に不備があれば、支払いが遅れるだけでなく診療報酬の減額や未払いにつながってしまうこともあります。
また、審査支払機関による審査が行われるため、何度も同じ入力ミスや不適切な請求が発覚すると、指導や監査の対象になることもあります。
レセプト業務の課題
レセプト業務を進めるうえでは、いくつかの課題が存在します。このような課題に対しては、対策を講じることがクリニックの安定した経営には欠かせません。
手作業によるミスのリスク
レセプト業務は、診療内容の入力や点検作業を手作業で行うことがあるため、人為的ミスが発生しやすいといえます。入力漏れなどのミスが患者さんへの返金作業につながることもあり、クリニックの収益だけでなく信頼性に影響する可能性もあります。
スタッフの負担増加と人手不足
レセプト業務は毎月の締め切りに向けて集中的に作業量が増加するため、スタッフへの負担が大きくなります。特に小規模のクリニックでは、限られた人員で対応しなければならず、業務の質の確保と人手不足のバランスが難しい課題といえます。
煩雑な会計処理
診療報酬制度は複雑で、しばしば改正されるため、新しい算定ルールを常に把握し対応する必要があります。この点が、レセプト業務の難易度を高めてしまう要因であると考えられます。
レセプト業務を効率化するポイント
レセプト業務には、正確性を高めながら効率化するためのポイントがあります。ここでは、レセプト業務を効率化するポイントを解説します。
レセコンと連動した電子カルテの導入
レセコンと連動した電子カルテを導入することで、レセプト業務の効率化を図れます。
通常のカルテの場合、診療記録の内容を確認して、レセコンに診療報酬を手入力が必要です。このときに入力ミスや漏れが発生するリスクがあります。
レセコンと連動した電子カルテを導入することで、カルテ内容をレセプトデータに一元管理できるようになり、業務効率の改善につながります。
レセプトチェックソフトの導入
レセプト業務の効率化には、レセプトチェックソフトの導入も効果的です。
レセプト業務で特に時間と手間がかかるのが、点検と確認の作業です。レセプトチェックソフトは、以下のような内容をチェックすることができます。
-
- ・病名の記載漏れがないか
- ・薬剤の投与量や禁忌薬剤が処方されていないか
- ・重複して算定している項目はないか
- ・コメント漏れがないか
- ・縦覧点検で整合性がとれているか
見逃してしまいがちなエラーを検出できるため、点検確認にかかる手間や時間を削減してくれるでしょう。
自動精算機の導入で受付業務を効率化
自動精算機の導入も、レセプト業務を効率化させることにつながります。
受付業務を効率化させて、レセプト入力をするスタッフに余裕を持たせることができれば、入力ミスの軽減も期待できるでしょう。会計時の計算間違いも減らせるので、受付スタッフ全体の業務改善につながります。
スタッフ教育と業務マニュアルの整備
レセプト業務を効率的に進めるためには、スタッフ教育と業務マニュアルの整備が欠かせません。業務の標準化を図ることで、スタッフの習熟度に関わらず作業を進められるようになります。
そのためには、レセプト業務のルールを明確にし、統一されたマニュアルを作成することも大切です。また、診療報酬改定やレセプト作成に関する情報を常に把握できるよう、定期的な勉強会や研修を実施することで、スタッフのスキル向上にもつながります。
まとめ
レセプト業務は、医療機関が診療報酬を正しく請求するために必要な業務です。入力ミスや確認不足によるミスで、返金などの手間がかかることもあるため、正確で効率的な処理が求められます。
レセプト業務の効率化には、電子カルテとレセコンの連携、レセプトチェックソフトの活用、業務分担の見直しなどが有効です。自動精算機の導入やスタッフ教育の徹底も、業務効率の改善につながるでしょう。
正確で効率的なレセプト業務を行うために、まずは現在の業務フローを見直し、改善策の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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