

今回は、2021年10月から開始された
「オンライン資格確認」についてお話しさせて頂きます。
政府は健康保険証を原則廃止してマイナ保険証に統一するため、
2023年4月からマイナ保険証の利用に必要なシステム(オンライン資格確認)の導入を
医療機関に義務化する方針を定めました。
これから導入される方は当記事でオンライン資格確認のことについて、
知っていただけますと幸いです。
出典元:「オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係 医療機関等向けポータルサイト」
1、オンライン資格確認とは
皆様もご存じだと思いますが
オンライン資格確認とは、保健資格の確認をオンラインで
出来るようになる仕組みです。
オンライン資格認証システムを導入すると
具体的に何が代わるのかというと
今までは患者様から保険証を提示されると
氏名、生年月日、住所、保険者番号など多くの項目を
手入力で入力する必要があり受付に多くの負担が掛かってました。
2、オンライン資格確認のメリット
オンライン資格認証システムでは簡単に言うと
こちらの入力を自動で出来るという物ですが
マイナンバーと保険証で確認する2パターンがございます。
受付
専用カードリーダーにマイナンバーをかざして
顔認証か暗証番号で本人確認を行うことで最新の保健資格を
自動的に入力します。
有効な保健資格かどうかもその場で確認できるようになります。
保険証番号、生年月日、資格確認日など必要最低限の情報の入力で
患者情報の確認を行うことが出来ます。
■診療時
過去5年分の特定検診分のデータを確認出来る
■投薬時
過去3年分の薬剤情報を確認出来る
上記を踏まえて
待ち時間の緩和やレセプトの返戻リスクの回避、
限度額以上の一時払いが不要など様々なメリットがあげられます。
▼保険証の確認が自動化できれば再来受付も生かすことができそうですね▼
3、オンライン資格確認のデメリット
■ネットワーク構成を確認する必要がある
オンライン請求環境(「IP-VPN接続方式」「IPsec+IKE接続方式」)の
準備と合わせて医療機関・薬局内のネットワークを構築する必要があります。
新規開業は別ですが、ネットワークとレセコンなどを加味した構成が必要になるので
ベンダーに確認し医療機関様のネットワーク変更が必要な場合もあります。
■レセコン、電子カルテの改修作業
オンライン資格確認結果を取り込むためには、お使いの電子カルテ、レセコン
の改修作業が必要になります。実際に取り込むように出来るようになる時期や
費用はベンダーに確認することが必要になります。
また、注意が必要なのが改修が出来なかった場合はオンライン資格確認結果を
目視確認してレセコン・電子カルテに手入力する必要があります。先生方の
構想を実現するために別レセコン会社に変更など更に費用などが
発生する場合ございます。
■オンライン資格確認端末の設置
子供・高齢者・体が不自由な方などユニバーサルに対応した
設置・運用を考える必要がございます。
■マイナンバーカードの保険証利用には事前申込が必要
事前申込が必要の為、申込してない患者様は健康保険証で案内したり、
申込方法の手順を準備することが必要になります。
4、まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、注目度の高いオンライン資格確認について
お話しさせて頂きました。
しかし、導入費用で尻込みしてしまう医院様もおられるのでは無いでしょうか?
実際に導入費用にかかわる目安を元に算出すると、
最低でも27.8万円の初期費用計算になります。
保守料(3〜10万円と契約・業者による)がかかるのも、耳が痛い話です。
しかし、導入費用に関しては現在補助金が交付されております。
こちらを利用することで以下のような補助を受けることができます。
・顔認証付カードリーダー : 1台無償提供(診療所・大型チェーン薬局以外)
・その他ソフトウェアなどの費用 : 32.1万円を上限に補助
(事業額42.9万円を上限とし3/4を補助)
※厚生労働省資料から一部抜粋
義務化されるのであれば、
こうした補助金を使って負担を軽減しながら導入するのがいいのではないでしょうか?
尚、保守料については補助金の対象外なのでご注意ください。
2022年7月末時点で、
マイナンバーカードの交付数は45.9%と普及が進んで参りました。
(参考 : 総務省「マイナンバーカード交付状況について)
カードの普及状況とオンライン資格確認の義務で、
それに付随するシステムも今後世に出回るのではないでしょうか。
そう考えると、「マイナ保険証」と「オンライン資格確認」は注目のキーワードに
なりそうですね。
今後とも皆様にとって
有益な情報の発信に努めて参ります。
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